カエルの楽園

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ご無沙汰しています。久々の本のレビューです。最近?ちょっと前かもしれませんが、何かと話題になっている「カエルの楽園」、先日ふらっと寄った本屋で立ち読みしたら面白そうだったので、購入しちゃいました。

この本は、アマガエルの主人公が安住の地を求め、旅に出、ようやく見つけた平和な土地での出来事、教えを学ぶ物語です。

ダルマガエルが訪れ、平和に暮らすことができなくなってしまった、生まれた土地を離れ、平和な土地を求め、旅に出ます。旅の途中で様々な天敵にあい、この世に平和な土地などないと諦めかけた時、たどり着いた「ナパージュ」。そこは、誰もが安心して暮らせる平和な土地でした。そこでは、三戒と呼ばれる教えを守っているカエルたちがいます。その三戒とは、「1.カエルを信じろ。2.カエルと争うな。3.争うための力を持つな。」というもの。そこに住んでいるカエルたちは、ナパージュが平和でいられるのは「三戒」があるからだといいます。やがてそこの教えに魅力を感じ、その教えを生まれ故郷、ひいては世界へ広めようと思える主人公。。。

これ以上書くとネタバレになるので(既にだいぶネタバレしてるが。。)、内容はこの辺にしておいて、続きは本を購入して自らお読みください。

内容としてはざっくり上記の通りなのですが、この本が最近非常に話題になっています。というのも、この本はどこかの島国をモデルにしていると思われるからです。憲法9条がある限り、戦争になることはない、侵略されることはないと信じる人達がいる島国-ジパング。その社会を物語風に、皮肉り、かつ啓蒙しようとしているのがこの本です。

読む前に内容はおおよそ把握していたのでやはりという感じがしましたが、まぁ言いたいことはわかります。武力を持たずして、平和はありえない、ということを教えたいのだと思います。

しかし、個人的には少し、洞察力の弱さを感じました。確かにこの世に、武力のない平和はありえません。日本が平和でいられるのも、米軍が守っているからです。スーパーパワーと呼ばれた米国が、世界の警察として、世界を警備していたからです。歴史を学べば、武力がなければ平和は無いということはいやがおうでも思い知らされます。

しかし、武力のあるところに争いが起こります。パワーバランスが崩れたとき、戦争が起きてるのです。20世紀に経験した2つの大戦を通じ、人類はようやく武力では平和は長続きしないということを学びました。その結晶「国際連合」です。もちろん、国際連合は完璧ではありません。しかし、多くの争いを回避してきたことも事実です。

21世紀に入り、大戦の記憶が薄れ、アメリカの国力が衰え、中国など新興国が台頭し、パワーバランスが崩れ始めました。また、世界経済の停滞感から、世界は保守的になりつつあります。そして、各国で武力の必要性が叫ばれています。日本でも、核武装が必要だなどと言う過激派もいます。

残念ながら、人類はまだ武力のない平和を実現出来ていません。しかし、武力だけでも平和は成し遂げられないのです。カエルの楽園は武力の必要性を短絡的に解いています。しかし、武力では軍拡競争を引き起こし、地域に緊張をもたらします。必要最低限の武力は持つべきですが、必要以上の武力は持つべきではありません。また、武力以外での平和を常に追い求めるべきです。

カエルの楽園は、平和ボケしている私たちに危機感を持たせるという意味では良いでしょう。しかし、だからといって、極端に武力を信望してはいけないのです。

カエルの楽園

カエルの楽園

百田尚樹
1,404円(11/15 08:03時点)
発売日: 2016/02/26
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