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シンプルであれ!ミニマリストであれ! Think Simple アップルを生み出した哲学

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最近はやりのミニマリスト、必要最低限の物だけで生きていく、カッコいいですよね。無駄なものを買ってしまう自分はとってもミニマリストに憧れます。ミニマリストといえば、今や世界最大の企業となったAppleの創業者、スティーブジョブスもその一人でした。彼は身の回りの物だけでなく、言動にまでミニマリストを徹底していたのです。先日、久しぶりに本屋へ行ったら、目につくところにとってもシンプルな本がありました。白地に黒く"Think Simple”とだけ書いてありました。そのほかの本は帯紙などがついているのに、その本は帯もなくとてもシンプルなデザインでした。シンプルであるがゆえに人目を惹く、そんな本でした。それがこれから紹介するThink SimpleというAppleについて書かれた本です。

Think Simple

そう、Think Simple、その本こそがAppleのシンプルさ(Simplicity)について書かれた本だったのです。本屋で見たときから人目を惹き、シンプルなのに、心が惹かれてしまい、購入してしまいました。

Think Simple アップルを生みだす熱狂的哲学

Think Simple アップルを生みだす熱狂的哲学

ケン・シーガル
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本のタイトルは、「Think Simple - アップルを生み出す熱狂的哲学(原書は"Insanely Simple: The Obsession That Drives Apple's Success")」です。本のデザイン、タイトルからしてすでにシンプルですよね(笑)。

著者はケン・シーガルという人で、Steve Jobsの経営していたAppleやNexTで広告塔として非常に重要な仕事をした人物です。そしてスティーブジョブスに近い位置で仕事をしていたため、非常に多くの情報を持っています。

内容

内容は主に、Steve JobsがAppleに戻ってきてからのことが書かれている。いかにAppleが経営を立て直したのか、Appleの製品はいかに世界中で愛されるようになったのかを説明している。

Appleが好きな人や、スティーブジョブスが好きな人はすでに知っている人もいるかもしれないが、彼のモットーは"Simple is the best - 単純は最高である" というものでした。「単純―シンプル」と聞くと、簡単なことと思うかもしれません。しかし、実際には真の意味でシンプルであることは非常に難しいのです。

この本では、

シンプルとは、ゼロか百か出会って、完璧にシンプルであるか、そうでないか、の2択しかないのである -Think Simple

と書いてありました。読んでいくとわかりますが、なるほどその通りだなと感じさせられました。

人類は、知的な生き物であるがゆえに、複雑さを追求する。何かを説明するとき、複数の理由があるほうがスマートだと思われるのはそのためである。しかし、実際に人を説得するには、一つのシンプルで完璧な理由があればそれで充分なのである。 -Think Simple ※本の内容を要約しています。

ここだけ見ると、シンプリシティ(単純さ)は素晴らしいものに思えるかもしれない。しかし、シンプルであることは、お世辞や表面上の言葉というのも取り除く必要があるとこの本は説明しています。

シンプルさとは、時には人との摩擦を生む。 - Think Simple

とあるように、Appleの創始者であったSteve Jobsが自身の会社を追われたのも単純さ故であったようです。したがって人々は軋轢を避けるため、本音ではなく、建て前やお世辞を使うようになります。その結果、真の意思疎通が難しくなっているというのです。

実際に、Apple、そしてSteve Jobsがしてきたように究極のミニマリストになるのは非常に難しいかもしれません。しかし、本書は経営方針、人々の判断基準などあらゆる面において非常に参考になる本です。ミニマリストを目指している人もそうでない人も、非常に面白い本ですので、一度読んでみてください。

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Steve Jobs亡きApple

さて、本の内容はこのぐらいにしておき現在のアップルについて少し考えてみましょう。

Steve Jobs 亡きAppleはInsanely Simple (完璧にシンプル)でしょうか。Appleの時価総額は今や世界一に上り詰めましたが、答えは残念ながら「No」と言わざるを得ないのではないでしょうか。

本書では、人々は選択肢が増えるほど、迷い、購入した後も満足度が低くなってしまうと説いています。

しかし、2018年現在、Appleの製品はあらゆるニーズに応えるため、スペック、種類ともに過去最高規模のラインナップとなっています。勿論、時代は変わっているので、単純比較はできませんが、参考までにSteve Jobsの経営していた当時と、現在のラインアップ数を比較してみました。

2018年 2011年
iPhone iPhone 7, iPhone 7 Plus, iPhone 8, iPhone 8 Plus, iPhone Xs, iPhone XR, iPhone XS Maxなど7種類(カラーは6種類) iPhone 4S, iPhone 4, iPhone 3GSなど3種類(カラーは2種類)
iPad 12.9 インチiPad Pro, 10.5インチiPad Pro, iPad, iPad mini など4種類 iPad 2 、1種類
Macintosh MacBook, MacBook Air, MacBook Pro, iMac, iMac Pro, Mac Pro, Mac mini など7種類 MacBook, MacBook Pro, MacBook Air, iMac, Mac mini, Mac Pro など6種類

現在、アップルはティムクック氏が経営していて、時価総額は過去最高を更新しています。しかし、昔のようなミニマリストの心をくすぐるような製品は少なくなりました。

上記の表を見てもわかる通り、種類がものすごく増えています。特にiPadに至っては2011年当時は実質1種類でした(iPhone 3GSは旧製品のため)。それが今では最新の製品だけでも3種類、旧製品も含めると実に7種類にも増えています。正直、購入するの迷いますよね?

購入するときに迷う、それこそが無駄なのです。2つに一つ、といったようにシンプルな決断をできるようなラインアップこそが無駄を省き、人々の満足度を向上させるのです。

繰り返しになりますが、

「シンプルとは0か100か」であって、ところどころシンプルであることはできないのである」―Think Simple

そう、今のAppleは昔と比べ、シンプルさをなくしてきています。HPやDELLのように、ありとあらゆるニーズに応えるため、ラインアップを増やし、中国へ忖度し、国ごとに多少機能が異なっていたりします。その分のコストをアップルは回収すべく、値上げをしていますが、果たして人々はついていけるでしょうか?

満足度は、2011年と比較すると向上しているでしょうか?

確かに、他社の製品と比較するとAppleの製品はまだまだ魅力的です。しかし、Steve Jobsの経営していた当時と比較すると、魅力が落ちてきているのではないでしょうか。

最後に

人間は進化しすぎたがゆえに、物事を複雑に考えすぎてしまう。シンプルであるということは、簡単なようで非常に難しいのである。「Think Simple」という本を読んで、今一度私たちの社会が、私たちがいかに物事を複雑にとらえているのかを考えてみると面白いだろう。

便利でありとあらゆるものが手に入るようになった。しかし、社会は複雑に絡みあっているように見えて、真実は実はとてもシンプル、なのかもしれない。

単純であること。それは、簡単なようで難しい。Think simpleを読んで、今一度単純さについて、シンプルに考えてみましょう。

Think Simple アップルを生みだす熱狂的哲学

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ケン・シーガル
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