この記事はα5100・α6000で星空を撮影したいけれど、設定がわからないという方や、星空撮影に最適なレンズは?と探している人にお勧めの記事になっています。
改めましてこんにちは。2015年にミラーレス一眼デビューし、その後何度も星空撮影に挑戦しているアメンボです。購入当初は標準ズームレンズ、その後f1.8の単焦点レンズSEL35F18を購入、その後広角単焦点SEL24F18Zを購入し、星空撮影に挑戦してきました。
試行錯誤の結果、今ではきれいに星空を撮影できるようになったので、撮影時の設定、必要機器、お勧めのレンズなど紹介していきます。まずは論より証拠、α5100・α6000で撮影した写真を見てみましょう。しっかり設定をして撮影すれば、撮って出しでもこれぐらい撮影できます。
この記事で対象としているカメラは、SONYのAPS-Cミラーレス一眼です。α5100の設定をもとに、紹介していますが下記類似機種でも同様の設定で撮影することが可能です。
- α5100 ILCE-5100
- α6000 ILCE-6000
- α6100 ILCE-6100
- α6300 ILCE-6300
- α6400 ILCE-6400
- α6500 ILCE-6500
- α6600 ILCE-6600
SONYのミラーレスで星空撮影
ということで、SONYのミラーレスα5100・α6000で星空を撮影する手順を見ていきましょう。基礎知識として、星空を撮影するためには明るいレンズ、つまりF値の小さいレンズが良いとされています。
SONYのミラーレスだと、SEL24F18Z(F1.8)やシグマ 14mm F1.8 DG HSM(F1.8)などがあります。ちなみに、背景を入れて星空を撮影したい場合は広角レンズ(12mm~24mm前後)のほうがおすすめです。ということで、詳しく見ていきましょう。
星空撮影に必要な機器
まずは星空撮影に必要な機器の紹介です。
- カメラ本体(α5100・α6000など)
- レンズ(SEL24F18Zなど、後述)
最小構成としては、カメラとレンズさえあれば星空撮影は可能です。ただし、きれいな星空を撮影するためにも、やはり三脚やレリーズといったものがあるとよいでしょう。
有るとよりよい機器
星空撮影はシャッタースピードを長く(5秒~30秒)する必要があります。そのため、手持ちではどうしてもぶれてしまいます。安い三脚で十分ですので、星空を撮影する場合は三脚を用意することをお勧めします。
また、同様の理由でリモートレリーズもあると手振れを防ぐことができるのでお勧めです。ない場合は、セルフタイマーなどを併用しシャッターを押す力でぶれないように設定しましょう。
ソフトフィルターはあってもなくてもよいですが、あると明るい星が強調され、きれいに撮影できるのでできれば用意しましょう。特に星座を撮影する場合、ソフトフィルターがないと、他の星と混ざってしまい星座を認識しづらくなりますが、ソフトフィルターを使えば、より星座がくっきり写ります。
ソフトフィルター無しだと、全体的にうっすらと星が映っていますが、ソフトフィルターを使うと明るい星はより明るく映り、メリハリのある星空を撮影することが可能になります。
赤道儀はよりプロフェッショナルな写真を撮影したい場合は用意するとよいでしょう。地球の回転は想像よりも早く、星空を撮影すると、20秒程度の露光でも星が動いてしまいます。特に50mm以上の望遠レンズで撮影する場合は、より顕著になるため、シャッタースピードを短くするか、赤道儀を使って対応しましょう。
星空撮影にお勧めのレンズ
次に星空撮影にお勧めのレンズ紹介です。
SEL24F18Z:最もおすすめ、ただし高い
SONYのAPS-Cミラーレスで星空を撮影するのであれば、カールツァイスのSEL24F18Z(Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA)が最もおすすめです。広角でありながら、解像度が高く開放から高解像度の写真を撮影することができます。また、星空撮影以外にもスナップ撮影、ポートレートなど様々な場面で使うことができるので、無駄のないレンズです。ちょっと値段は張りますが、購入して損はないです。私自身、複数レンズを持っていますが、結局メインでこちらのレンズを使っています。
マウント | Eマウント |
焦点距離 | 24mm |
解放F値 | 1.8 |
手振れ補正 | なし |
最短撮影距離 | 16cm |
フィルター径 | 49mm |
重さ | 225g |
サイズ | 63x65.5 mm |
SEL35F18:価格重視ならこれ
値段重視であれば、SEL35F18がおすすめです。ソニーの単焦点レンズとしては非常に安い価格帯にあり、初めて購入する単焦点であれば最もおすすめです。もちろん星空も十分撮影可能です。ただし、背景を入れた撮影などには少々難易度が高いので注意が必要です。また非常にバランスの良いレンズで、星空以外にもスナップ撮影やポートレート撮影でも活躍できるレンズです。
マウント | Eマウント |
焦点距離 | 35mm |
解放F値 | 1.8 |
手振れ補正 | あり |
最短撮影距離 | 30cm |
フィルター径 | 49mm |
重さ | 154g |
サイズ | 63x45 mm |
さらに詳しく
ちなみに、星空とともに背景も入れて撮影する場合はより広角なレンズをお勧めします。SONYのα5100・α6000だと10mmから16mmのレンズがおすすめです。広角レンズで撮影すると、星空とともに背景を入れたダイナミックな撮影が可能になります。めちゃくちゃ高いですが、画質が高くお勧めなのはSIGMA 14mm F1.8 DG HSMです。
撮影準備とコンディション
星空をきれいに撮影するためには撮影環境が大事になります。特に都会だと光害で星が見えないため、撮影することが難しいです。基本的には電灯の少ない郊外や山奥などでの撮影がおすすめです。星空撮影をすると、結構小さな光でも影響があるということがわかります。
また当然ですが、天気は大事になります。加えて月齢も大事で、できれば新月の日が良いでしょう。満月の日の撮影は、月明かりが明るすぎて星が写らなくなってしまいます。月明かりが強い場合は、月が沈むのを待つか、昇る前に撮影するようにしましょう。
撮影設定
必要機器が確認できたところで、具体的な撮影設定に入っていきましょう。
基本設定
- マニュアルモード
- マニュアルフォーカス
- ホワイトバランス:蛍光灯(白色)もしくはマニュアルで3800K
- F値 1.8~2.4
- ISO 800~3200
- シャッタースピード 4秒~30秒
マニュアルモード
星空撮影はオート撮影ではできません。そのため、あらゆる設定をマニュアル指定できるマニュアルモードでの撮影が基本となります。また、撮影後細かい現像を行うため、JPEG撮影ではなく、RAW撮影も行うことをお勧めします。
ワンポイントアドバイス
RAW+JPEG撮影することで、撮影後細かなレタッチが可能になります。特に低ISO(ISO100~400)で撮影した場合、光量がたりず星が映らない場合があります。RAW撮影していれば、ほんの少しでも星が映っていれば露出補正で修正することが可能です。
マニュアルフォーカス
星の光は弱く、オートフォーカスで焦点を合わせることができません。そのためマニュアルフォーカスモードに変更し、手動で焦点を合わせていきましょう。
ここが一番のハードルといえると思います。液晶ディスプレイを見ながらフォーカスを合わせていきますが、星のサイズが非常に小さいため、正確なピント合わせが非常に難しいのです。液晶ディスプレイだけでフォーカスが合わせられない場合は、実際に撮影しながら微調整を行っていくことになります。
SONYのαシリーズの場合、フォーカス調整はレンズリングを回すことで調整可能です。
ワンポイントアドバイス
一度調整が済んでしまえば、あとはフォーカスがずれないようテープなどで固定するとよいでしょう。
ホワイトバランス:蛍光灯(温白色)
ホワイトバランスは好みにもよりますが、夜空を青みのかかった形に仕上げたい場合、蛍光灯(温白色)を選ぶか、マニュアル設定で3200K前後に調整します。
下記がホワイトバランスごとの違いです(※RAWで調整しています)。
さらに詳しく
ホワイトバランスをマニュアル調整する場合、2500Kから9900Kの間で調整できます。小さい数字ほど青みが強く、大きい数字ほど赤みが強く出ます。
F値 1.8~2.4
星空撮影には明るいレンズが必要ということは前述したとおりです。レンズにより最適F値があるので、普段の撮影からどのぐらいの設定が最も解像度が高いか確認しておくとよいでしょう。わからない場合は解放F値で撮影してしまって問題ありません。
お勧めはF1.8~F2.4です。それ以上でも撮影は可能ですが、ISO感度を高める必要があったりするので、できればF2.8以内に収めることをお勧めします。
私の愛用しているSEL24F18Zでは開放F値から解像度が高いので、星空撮影の際はF1.8で撮影しています。
ISO 800~3200
ISO感度は高ければ高いほどシャッタースピードを短くすることが可能ですが、それだけノイズも増えます。最新機種のα6600であれば、ISO3200以上であっても大丈夫ですが、α5100、α6000はISO 3200ぐらいが個人的な許容範囲でした。
実際に撮影してみて、ご自身の許容範囲を確認してみてください。
ISO 400前後だとノイズは少ないですが、暗いので星がそもそもあまり写りません。北極星など明るい星は写りますが、その他の星はほとんど写らないので、ISO 800~ISO3200での撮影をお勧めします。
逆に明るい星座だけを移したいという場合は、ISOを小さめに設定しシャッタースピードを長めにし撮影しましょう。
シャッタースピード 4秒~30秒
シャッタースピードは環境により、調整しましょう。星は思ったよりも早く動いています。特に望遠レンズで撮影すると、星の動きが顕著に現れます。そのため、露出時間は広角レンズで30秒程度が限界といわれています。それ以上になると、ブレが生じるので撮影しながら確認してみてください。
私自身の経験上、露出10秒が最もよかったです。
撮影
撮影準備が整ったら、実際に撮影していきましょう。いくつかサンプルと、設定を書いておきますので、撮影の際の参考にしてみてください。
リモートレリーズがない場合、セルフタイマーを2秒にして撮影することブレが抑えられます。
サンプル使用機材一覧
SEL24F18Z、ソフトフィルター49mm、三脚
ソニー SONY 単焦点レンズ Sonnar T* 24mm F1.8 ZA ソニー Eマウント用 APS-C専用 SEL24F18Z