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香港100万人デモ―決して対岸の火事ではない

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こんにちは。香港で犯罪者を中国本土に送還できるようにする「逃亡犯条例」の改正をめぐり、大規模デモが起きています。大規模デモの影響を受け、香港当局が条例改正に関する審議をいったん中止することで、デモの収束を図りましたが、条例の改正は必ず行うと発言したことで、これに反発し6月16日にも大規模デモが行われ、デモ隊は条例の完全撤廃を求めています。

さて、日本の多くのメディアはどちらかというと香港よりの報道を行っていますが、今回は少し違った視点からデモを紐解いていこうと思います。今回、香港で起こっていることを他人事としてみているかもしれませんが、詳しく見ていくと決して日本も他人事ではないのです。

香港のデモはなぜ起こっているのか?

香港のデモについては、多くのメディアで報道されていますので、ここでは軽く言及するにとどめますので、詳しく知りたい方はGoogleなどで調べてみてください。

背景としては、現在中国本土は除くとされている逃亡犯条例を改正し、中国やその他の地域で犯罪にかかわり香港内に逃げ込んだ容疑者を、中国本土の要請に基づき引き渡すことができるよう条例を改正する動きに反対してデモが起きています。

大義名分

香港の人たちは思慮深く、また中国という自由が保障されていない国が存在しているため危機意識も強いのでしょう。しかし、今回の法案改正はしっかりとした大義名分があります。

今回の改正のきっかけになったのは、2018年2月に香港の男性が、台湾旅行中に女性を殺害した事件があります。その際、男性は香港に逃げ帰り、台湾当局の訴追を逃れました。

このように、犯罪者の逃げ場になってしまっている現在の香港の条例を改正し、犯罪者をしっかり裁けるようにするというのが、今回の法案改正の目的です。

多くのメディアは香港側に報道が多いように見受けられますが、背景を読んだとき、皆さんは法案改正に反対を表明できますか?

犯罪者を中国本土へ送還する法案改正に賛成か反対か

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なぜデモが起きているのか?

単純に法案改正の背景を読んだだけでは、単純に反対とは表明できないはずです。しかし、香港では100万人を超えるデモ(主催者発表)が起きているのです。なぜでしょうか。

背景には、自由の保障されない中国共産党の存在があります。中国共産党は香港が中国へ返還されて以降、徐々に支配を強めてきました。それに反発し、香港ではたびたび大規模デモが発生しています。

香港ではアメリカや日本と同じように基本的人権、そして表現の自由が法で認められています。しかし、そういった権利のない中国としては、中国共産党に反対する情報はできる限り制限しておきたいのが実情です。

現に、今回の法案改正に関する情報は中国本土では厳しく制限されています。SNSでも「香港加油(香港頑張れ)」とつぶやくと、アカウントを30日制限されてしまいます。日本のTwitterで中国でも、報道されているという情報が流れていますが、それらはすべて「大本営発表」の情報であって、一般市民の意見は厳しく制限されているのです。

特に中国では中国共産党に反対意見を「国家転覆扇動罪」として取り締まる法律もできています。香港の人たちが懸念しているのは、「犯罪者」を取り締まることではなく、中国政府に反対する人々を「犯罪者」として中国本土に送還されてしまうのではないかということなのです。

日本やアメリカなどでも

さて、ここまでが香港、そして中国での実情ですが、皆さんはこれを対岸の火事としてみてはいないでしょうか。確かに、中国共産党のようにあからさまに政治犯を取り締まるということは今のところありませんが、表面上「言論の自由」が保障されている日本や、アメリカなどでも「テロ対策」の名のもと、様々な法案が成立しているのは事実です。

例えば、日本では多くの人が忘れてしまったかもしれませんが近年では「共謀罪(テロ対策)」があります。この法案は2020年のオリンピックに向け、テロを防止するために成立した法案です。

また、アメリカでもビザの申請にSNSのアカウントを義務付けようという動きがあります。

これらは、大義名分として「テロ対策」が大きく掲げられていますが、徐々に我々の自由を制限しているのも事実です。

そもそも、テロとは非常に定義があいまいです。どこまでがテロで、どこまでがテロではないのでしょうか?

一例をあげると、中国のウイグルやチベット民族が起こす反体制デモを中国共産党は「テロ」とし、厳しく取り締まっていますが、西側諸国は「反体制デモ」という表現にとどめていることが多くあります。

このように、テロとはそもそも定義が非常にあいまいなものなのです。マスメディアを通じ、テロ=悪、発生前に取り締まるべきものという印象を抱いているのも事実ですが、じっくりと考える必要があるでしょう。

現に日本では、自民党が政権過半数を握っており、メディアももはや大本営と化してしまっています。残念ながら監視が機能していないのが事実です。

では、国民は何を求めるのか?

さて、ここまで「テロ」の曖昧さ、そして権力の暴走について書いてきました。理想を言えば、「表現の自由」が完全に保証された自由な社会が理想です。しかし、中国ほどでないにしろ、日本、アメリカ、ヨーロッパなど多くの国で情報統制が行われ、一部の少数派意見が制限されているのは事実です。

しかし、私たちは何を求めているのでしょうか。また、自由のために何か行動を起こしているでしょうか。

中国も1989年の天安門事件では今回のデモのように、大きな反発を学生がしていました。しかし、厳しく弾圧され、取り締まられました。しばらく中国は厳しい言論統制が行われましたが、インターネットの登場により完全な情報制限はできなくなりました。

そして、中国は完全にシャットアウトするのではなく、政府があえて情報を公開するという方向へ舵を切ります。今回のデモに関して、中国国内で流れている情報もほとんどは政府が流している情報です。

そうすることにより、13億もいる中国人民をコントロールしているのです。現に、今回の法案改正には大義名分があります。

そして、一般中国人は今回の法案改正を支持しています。1989年の民主化運動で激しく戦った人たちも、経済の発展とともに発言する力を失ってきています。

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しかし、だからと言って中国が自由な国になったとは言っていません。むしろAIの活用により、以前にもまして監視が行われるようになっています。ジョージオーウェルの小説1984に書かれているように、リアルビッグブラザー(中国共産党)が監視する社会、それが中国です。

それでも多くの人は監視社会を受け入れて生きています。香港でさえ、2016年に発生した雨傘革命では、当初こそ学生デモを支持していたものの、デモが長期化するにつれ、香港の経済が停滞すると、徐々に学生デモは支持を失っていきました。

決して、デモが無駄だとは言いませんし、政府が正しいとは言いません。しかし、多くの中央政府は国民を管理(監視)しようと思っているし、現にそのための法案を成立させています。

言論の自由が保障されている国でも徐々に進んでいます。テロ対策法案が成立しようとした当時、反対デモは発生しました。しかし、一度発効してしまってからは、反対している人がいるでしょうか。

法案成立前と、あととで何か大きく変わったことはあったでしょうか。

反対していた人たちは、今も反対しているのでしょうか?経済が停滞してまで、反対する勇気があるでしょうか。

答えはありません。しかし、国家権力がテロ対策の名のもの国民を監視しようとしているのは事実です。

私たちは、それに反対する必要があります。少なくとも、私たちには選挙という手段があります。多少変化には痛手を伴うかもしれません。今回の香港のデモは、私たちに考える機会を与えてくれた良いチャンスではないでしょうか。

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