この記事はソニーのミラーレス一眼とカールツァイスの単焦点SEL24F18Zで星空を撮影する方法を探している人にお勧めの記事になっています。
SONYのミラーレス一眼とカールツァイスの単焦点SEL24F18Z(Sonnar T * Emm F1.8 ZA)を持っていますか?そうであれば、必要な機材は三脚だけ。三脚さえそろえれば、きれいな星空を十分撮影することができます。一つサンプルを載せておきますね。
カメラ、レンズ、三脚だけでも十分星空を撮影できますが、可能であればソフトフィルターもそろえるとよりメリハリのある星空を撮影することができます。条件さえあれば下のような写真も撮影することができます。
それでは、ソニーのミラーレス一眼とカールツァイスSEL24F18Zを使った星空撮影の流れを見ていきましょう。
この記事のコンテンツ
- SEL24F18Zを使った撮影
- 必要機材はレンズ・カメラ・ソフトフィルター・三脚
- 撮影時の設定は、マニュアルモード、マニュアルフォーカス
- RAW現像はAdobe LightroomもしくはSilkypix Developper Pro
SEL24F18Zを使って星空撮影
初めにお見せした写真のように、SEL24F18Zであれば十分きれいな星空を撮影することができます。カメラはSONYのミラーレス一眼であればどれでも問題ありません。α6000・α6500・α6500などすべて同じように撮影することができます。
ということでSEL24F18Zを使った星空撮影の手順を説明していきます。
さらに詳しく
ちなみに天の川の撮影や、背景を入れた星空撮影にはより広角なレンズがおすすめです。α6500、α6600などSONYのα4桁シリーズのカメラの場合、10mmから16mmのレンズがおすすめです。めちゃくちゃ値は張りますが、画質が高く天の川撮影にお勧めなのはSIGMA 14mm F1.8 DG HSMです。
なお、SONYのミラーレスにお勧めの単焦点レンズは別記事にまとめてありますので確認してみてくください。
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【作例付き】SONY(ソニー) α5100・α6000におすすめの単焦点レンズ
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使用機材の紹介
まずは初めに使用機材の紹介からです。
レンズはもちろんSEL24F18Zです。SEL24F18Zは、値段は少々高いですが、解放F値1.8と非常に明るく、解像度の高いレンズです。星空撮影はもちろんですが、背景もきれいにボケるのでポートレート撮影や通常時の撮影にもお勧めです。
SEL24F18Zのレンズ詳細については別記事で細かくレビューしてありますので合わせて確認してみてください。
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【神レンズ】購入して大正解!カールツァイスSEL24F18Z作例付きレビュー
こんにちは。SONYのAPS-Cミラーレス、α5100を使っているアメンボです。2年ほど前にちょっと高かったのですが、カールツァイスのレンズ、SEL24F18Z Sonnar T * E 24mm F ...
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ソフトフィルターはなくても良いですが、あるとよりメリハリのある星空を撮影することができます。SEL24F18Zのフィルター径は49mmですので、49mmのソフトフィルターを用意しました。
そして使用したのはSONYのミラーレス入門機、α5100です。すでに発売から5年以上たっていますが、α5100でも十分きれいな星空を撮影することができます。ここで紹介するのは、α5100前提ですが、同じような設定でα6000・α6500などでも撮影することができます。
ちなみに
2019年に発売された最新のα4桁シリーズ、α6400とα6600は撮影感度が高くなっているため、星空をよりきれいに撮影することができるようになっています。
そして星空撮影に三脚は欠かすことができません。三脚無しでも置き場さえ見つけられれば撮影することはできますが、やはり三脚は必須です。あったほうが圧倒的に撮影が楽です。三脚を選ぶ際は、材質なども考慮するとよりしっかりした写真撮影ができますが、安い2,000円ぐらいの三脚でも全然問題ありません。まだ三脚を持ってないという方は、まずは安いのでもよいので用意しましょう。
また私は使っていませんが、リモートレリーズもあるとより自由度の高い撮影が可能になります。リモートレリーズがない場合、基本的にセルフタイマーを使った撮影になりますが、その場合最大シャッタースピードが30秒に限られてしまいます(撮影には30秒あれば十分ですけどね)。リモートレリーズがあるとバルブ撮影といって、シャッターを押している間ずっとレンズが開き続けるといった特殊な撮影ができるようになります。
撮影時の設定方法
撮影時の設定は下記のとおりです。
- 撮影モード:マニュアルモード
- フォーカスモード:マニュアル
- ホワイトバランス:蛍光灯(白色)もしくはマニュアルで3800K前後
- 絞り値:8~f2.4
- 露出時間:10秒~20秒
- ISO:手動設定 ISO 800~3200
- フラッシュ:なし
- 手振れ補正無し
撮影モードはマニュアルモードで撮影しましょう。モード選択で(M)と書いてあるモードです。また撮影後細かい現像を行うため、JPEG撮影ではなく、RAW撮影も行うことをお勧めします。
RAW+JPEG撮影することで、撮影後細かなレタッチが可能になります。特に低ISO(ISO100~400)で撮影した場合、光量がたりず星が映らない場合があります。RAW撮影していれば、ほんの少しでも星が映っていれば露出補正で修正することが可能です。
また星は非常に暗く、オートフォーカスではピントが合わないので手動でピントを合わせていきます。ここが一番の難関といえるでしょう。液晶ディスプレイを見ながらフォーカスを合わせていきますが、星のサイズが非常に小さいため、正確なピント合わせが非常に難しいのです。液晶ディスプレイだけでフォーカスが合わせられない場合は、実際に撮影しながら微調整を行っていくことになります。
ホワイトバランス:蛍光灯(温白色)、もしくは3800K前後
これは好みの問題ですが、ホワイトバランスを蛍光灯(温白色)で撮影すると、よりしまりのある星空になります。ホワイトバランスの違いについては、下記画像を参考にしてみてください。なお、RAWで撮影する場合、撮影後にホワイトバランスを変えることも可能なので、あまり気にしなくてもよいかもしれません。
下記がホワイトバランスごとの違いです(※RAWで調整しています)。
絞り値:F1.8~F2.4
SEL24F18Zは解放から解像度の高い写真を撮影できるので、解放値のF1.8で撮影しても問題ありません。あまり絞りすぎてしまうと、光が入ってこなくなり、星が映らなくなってしまうため、絞る場合でもF2.8ぐらいまでに抑えるようにしましょう。
露出時間:10秒~20秒
露出時間は、ISOの設定や星空の映り具合によっても異なるので、撮影しながら調整していくことになります。また、星空は思っている以上に早く動いているため、あまり長くしすぎるとぶれの原因にもなります。ぶれの少ないきれいな星空を撮影したい場合は、10秒~15秒程度に抑えると良いでしょう。その分ISOを上げて調整しましょう。
ISO800~3200
ISOは低すぎると、星が全く映らないため適度に調整が必要になります。逆にISOを高くしすぎると、ノイズが多く発生するため抑える必要があります。α5100の場合、星空撮影で許容できるのは3200までですので、3200以内に収めてください。なお、α6400、α6600はセンサーが向上しているため、ISO4000ぐらいまでであれば撮影できます。
その他の設定
その他の設定としては、もちろんシャッターはオフにします。シャッターをオンにしていても影響はないですが、無駄な電池は使いたくありませんのでオフにしておきましょう。
また意外かもしれませんが、手振れ防止機能はオフにしておきましょう。三脚で撮影する場合、手振れ防止機能がかえって手振れの原因になってしまいます。SEL24F18Zは手振れ補正のついてないレンズですので、カメラ側に補正機能がない機種(α5100など)の場合は、特に設定を変更する必要はありません。
これらの設定をして撮影に臨めば、だれでも簡単に下記のような写真が撮影できます。
現像時の設定
最後に現像時の設定について説明していきます。上記設定を行って撮影をすれば、JPEG撮って出しでも基本的に問題ありませんが、RAW現像を行うとさらに細かい微調整が可能になります。現像ソフトはいろいろありますが、やはり一番のおすすめはAdobe Lightroomです。ここではAdobe Lightroomを使った現像について説明していきます。
まずは色温度(ホワイトバランス)を調整しましょう。カメラ側で3400Kにして撮影した場合は、特に調整する必要はありません。色温度と合わせ、色被り補正をプラス側に調整します。+50ぐらいにするとちょうどよいでしょう。
コントラストをプラス側へ調整します。コントラストを上げるとことで、星がくっきり映るようになります。写真によって適切なコントラストは異なりますが、星空の場合は+50ぐらいに調整すると良いでしょう。
明瞭度を調整し、写真に写っていないくらい星をあぶりだします。満点の星空のような写真にしたい場合は、明瞭度を名いっぱい上げましょう。
次にトーンカーブを調整します。トーンカーブの調整は最初は本当に難しいので数値を直接入力して調整することをお勧めします。サンプル数値は下記の通りとなります。
- ハイライト -30
- ライト -100
- ダーク -27
- シャドウ +39
最後にノイズ軽減を調整します。ノイズ軽減を調整することで、高感度ISOによって発生したノイズを軽減してくれます。これは好みの問題もあるので、必要なければ調整はいりません。輝度60、ディテール50で自分は調整しました。
それらの設定を適用し、現像をしてできたのが下記です。
α5100は入門機ですが、カメラの性能はカメラ本体よりもレンズに左右されるといわれるぐらいレンズの選択は重要です。今回SEL24F18Zと高価なレンズを使って星空を撮影してみました。ちょっと高いですが、APS-C(α5100、α6500など)のカメラを持っている場合は必須なレンズです。まだ購入していないという方はぜひ検討してみてください。