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【貿易事務】サレンダードBLとsea-waybillはどう違う?実務上の処理と定義上の違い

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こんにちは。物流系の貿易会社で4年ほど働いていたアメンボです。この記事では海上貿易で使われている、サレンダードB/L(本地回収)とSea-waybillの違いについて説明します。実際に貿易に携わっている人でも、違いを正確に把握している方が少ないので、細かく説明していきたいと思います。

なお、Sea-Waybillは国によって使える国、使えない国があります。使えない国のリストについては、別記事でまとめていますので合わせて確認してみてください。

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【貿易事務】サレンダードBL・Sea Waybillが使えない国がある?使えない国と注意点

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簡単に説明・Surrendered B/L とSea-Waybillの違い

サレンダードBLとウェイビルの違いについてですが、実務処理での違いと定義上の違いで分けて考える必要があります。

結論から言うと、実務上の処理ではWaybillを使った場合、サレンダードBLを使った場合も、ほぼ同じ流れで処理することができます。しかし、定義上はサレンダードBLが、サレンダード=つまり「放棄」を意味するのに対し、Waybillは貨物の送り状になるので、定義上は大きく解釈が異なるので注意が必要です。

サレンダーBL・Waybillの違い早見表

参考までにオリジナル船荷証券の場合も記載しておきます。

船荷証券(オリジナル) サレンダードBL Sea-Waybill
実務処理 輸入地でオリジナルが必要 ほぼ同じ
船積み代金の支払い 支払いと引き換えに発行 支払いと引き換えに発行 支払いは必須ではない※1
法律での定義 定められている 定められていない 定められている
LC決済 信用決済で用いられる 信用決済では利用できない 銀行により対応が異なる※2
貨物引き取り 原本が必要 コピーで対応 コピー・原本ともに不要※3
利用可能国 すべての国で利用可能 一部使えないところがある※4 一部使えないところがある※4
船社・フォワーダーでの対応 すべて対応可能 一部使えない場合がある※5 一部使えない場合がある※5

※1 船会社やフォワーダーによって対応が異なる
※2 通常、Waybillは信用決済では利用できません。ただし、C'NEEを銀行にすることで、利用できるケースもあります。
※3 貨物の引き取りに、Waybillは必要ありません。Waybill上のC'NEEであることを証明できれば引き取りが可能です。
※4 サレンダードBLやWaybillは国によって使えない地域があります。南米などでは多くがつかうことができません。
※5 明確に定義されているわけではないので、船社やフォワーダーによって対応が異なります。場合によっては対応にLG(Letter of Guarantee)などを要求される場合もあります。

詳しく解説:サレンダーBLとWaybillの違い

それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。

実務処理上の違い

実務処理場はどちらも書類を発行したタイミングで、貨物のリリースが可能になる点でほぼ同じです。また輸入地での手続きについても、書類の原本が必要なく、コピーで対応できる点も同じです。

そのため、多くの物流会社やフォワーダーでサレンダードBLとWaybillが同義に扱われている場合が多いです。

ココに注意

実際には、Waybillは書類を発行する前でも、貨物のリリースが可能

実務処理で大きく異なるのは、サレンダーBLは、荷主が船積み代金を支払った段階で処理されるのに対し、Waybillは代金の支払いとは関係なく、発行が可能だという点です。そのため、輸出者として、輸入者の代金支払いを待ってから貨物引き渡しを行いたいという場合は、Waybillではなく、サレンダードBLを選択し、代金の確認が取れるまでサレンダー処理を保留にする必要があるのです。

ココに注意

なお、荷主との契約内容や、フォワーダーによっては上記とは異なる場合があります。慣例上、Waybillも船積み代金の支払いまで保留されるケースもあります。

定義上の違い

それでは、次に定義上の違いを見ていきましょう。定義上は大きく異なるので、トラブルが発生した時などのことを考慮し、正確に内容を理解しておいたほうが良いでしょう。それぞれの違いについては、日本貿易振興機構(ジェトロ)のページで細かく説明されていますが、このページではわかりやすく解説していきたいと思います。

サレンダードBLとは

サレンダードBLとは、法律で定義されていませんが、近海向け貿易で多く使われる形式で、本来、船荷証券の引き換えで貨物をリリースするのに対し、書類よりも貨物が早く到着してしまうケースなどから、書類の送付を省くために生まれた処理の方法です。

サレンダード、つまり「放棄」の意味ですので、貨物の処理としてはサレンダー処理をしたタイミングで、輸入者は貨物を引き取ることができますし、本来の荷受人でなくても貨物の引き取りをすることができてしまいます。

ココに注意

実際には、輸入通関手続きや貨物を特定する必要があるため、本来の輸入者以外に貨物が渡ることはほぼありません。

Sea-waybillとは

対して、Waybillは航空業界で多く使われていたものが、海上輸送にも使われるようになったものです。Waybillは海上運送状ともいわれ、書類上のC’NEEへ貨物の引き渡しを証明する書類となります。船荷証券(BL)と異なり、流通性はありません。つまり、書類に記載したC’NEE以外へは貨物の引き渡しをすることはできないのです。書類上のC’NEE以外へ貨物引き渡しをする場合は、セカンドWaybill、サードWaybillといった形で第二、第三のCNEE向けのWaybillを発行し処理をする必要があります。

まとめ

近年、船会社などの競争や技術の進歩により輸送期間が短縮され、スムーズな取引を行うためサレンダードBLやWaybillを活用するケースが増えてきています。しかし、それらの違いをきちんと把握していないと、トラブルの原因にもなります。

実務処理上はサレンダードBLもWaybillもほぼ同じですが、トラブルが発生した時のため、明確に法律などで定められていないサレンダードBLはあまり使わないほうが良いでしょう。

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